朗読21の会とは

近い将来、高校の国語の授業から小説や詩歌の授業を大きく減少させようとする動きが伝えられています。こうした国語改革に苦言を呈している文学者の一人が「朗読21の会」を主宰する阿刀田高です。この朗読会は短編小説の魅力を朗読を通して訴えようと2001年に発足し、小グループながら20年近い活動を積み重ねてきました。これまでに小泉八雲、夏目漱石、芥川龍之介、山本周五郎、藤沢周平、向田邦子、佐江衆一、津村節子、佐多稲子、瀬戸内寂聴、中島敦、阿刀田高らの作品を紹介してきました。

「朗読21の会」の活動は、日本語を大切にしたいという願いもモットーの一つでありますが、2006年から演出家に鴨下信一氏、そして2019年から山下悟氏を迎え、舞台芸術としての朗読、表現のスタンダードとはどういうものかを提示することも新たな目的の一つとしています。朗読は聞いて楽しく、一人で黙読するのとは、また違った新しいイメージの発見、感動と味わいがあります。

昨今は朗読ブームといわれておりますが、「朗読21の会」は、これからも本当によい朗読とは何かを厳しく問い続けていきたいと考えております。

メンバー

1935年東京都生まれ。小説家。直木賞選考委員。15代日本ペンクラブ会長。文部省が「ゆとり教育」を推進していた時代、中央教育審議会の初等中等教育分科会委員を務める。
1976年、「冷蔵庫より愛をこめて」でデビュー。79年「来訪者」で日本推理作家協会賞、同年短編集「ナポレオン狂」で直木賞をそれぞれ受賞。日常の裏側を垣間見る〝ぴりりと辛い〟ブラックユーモアで独自の境地を開く一方、ギリシア神話、旧約聖書、コーラン、古事記、源氏物語、シェイクスピアなど、世界の歴史と神話、演劇と文学を平易に読み解いた作品が国民各層の支持を獲得している。
95年には「新トロイア物語」で吉川英治文学賞を受賞。03年紫綬褒章、09年旭日中綬褒章を受章。18年文化功労者に任定。
01年、俳優座劇場で行われた講演と朗読の会「ピリッと凄いぞ短編小説」を開催したのを機に、同年「朗読21の会」を結成し、毎年短編小説の魅力を朗読とともに訴えている。

阿刀田慶子

東京生まれ。日本橋高島屋セミナー「阿刀田慶子朗読サロン」及び、よみうりカルチャー荻窪「阿刀田慶子の朗読の部屋」、青山「阿刀田慶子の朗読講座」(2012年4月開講)の講師を勤める。
1990年に社会福祉法人・日本点字図書館朗読奉仕員としての活動を開始。朗読の研鑽を積むかたわら、小説家・阿刀田高を講師とする講演活動に参加して短編小説を朗読、日本各地から海外にも進出してニューヨーク、ロサンゼルスなどで「講演と朗読」という公演スタイルの先駆けとなり、定着させた。
若い世代にも短編小説の魅力を伝えようと、日本橋高島屋セミナーのほか、早稲田大学エクステンションセンターで6年間講師を務める一方、筑波大学、早稲山梨県立図書館などでも朗読会を開催している。

朗読家・阿刀田慶子オフィシャルサイト
http://atoudakeiko.com/

山下 悟

演出家。演劇集団円演出部所属。「円」のみならず劇団民藝などでストレートプレイ、リアリズム演劇を演出する一方、2013年、自ら立ち上げた演劇ユニット「山の羊舎(三谷昇命名)」では、別役実の不条理劇に鮮烈な照明を投げかけた。また、野坂昭如の『火垂るの墓』を糸あやつり人形芝居で再現、人間と人形と現実が交差する不思議な異空間を作りあげている。今回初めて朗読劇を手がけることになり、その定評ある丁寧な演出手法が注目されている。洋の東西を問わず現代作品の演出を続ける山下マジックの魅力は手作り感とこだわり感あふれる劇空間。「俳優(登場人物)同士のキャッチボールを大切にしながら、一歩踏み込んだ人間関係を浮かび上がらせたい」と語っている。
1955年東京生まれ。日大芸術学部、和光大学、淑徳大学非常勤講師を務める。主な演出作品は▷ハロルド・ピンター作「ダムウェイター」= 円▷エイソール・フガート作「島」= 円▷テネシー・ウィリアムズ作「この夏、突然に」=地人会▷シーラ・スティヴンスン作「水の記憶」=劇団ギルドホール▷別役実作「メリーさんの羊」を2002年より2012年までほぼ毎年上演= 渋谷ジァンジァン、円、シアターΧ、下北沢小劇場楽園など▷野坂昭如原作・糸あやつり人形芝居「火垂るの墓」=座・高円寺▷カレル・チャペック作 「マクロプロス-300年の秘密」=円▷別役実作「山猫理髪店」= 劇団民藝▷N.J.クリスプ作 「あのやさしい夜の中へ」= シアター21▷別役実作「壊れた風景」=俳優座劇場▷別役実作 「らくだ」=劇団民藝▷坂手洋二作「帰還」= 劇団民藝▷別役実作「うしろの正面だあれ」=山の羊舍▷別役実作「もういいかい・まーだだよ=山の牧舎、等がある。